利用者の90%が「天神があってよかった」と回答
教育支援センターの「天神」活用の様子

「天神」は、不登校児童⽣徒の学習⽀援を⾏う草津市⽴教育研究所やまびこ教育相談室(以降、やまびこ教室)にて2023年度から導入されています。2023年度は実証事業として採用され、2024年度からは小学校の主要6教科(国語・算数・理科・社会・生活、英語)と中学校の主要5教科(国語・数学・理科・社会・英語)を利用されています。

やまびこ教室 上笠教室

草津市立教育研究所やまびこ教育相談室(やまびこ教室)と「天神」 

やまびこ教室は、不登校や不登校傾向、集団活動に不安を感じている等、子どもに関する悩みについての相談や、不登校の子どもたちの居場所として、小集団での活動や学習を行っている教育支援センターとなります。 

主な活動は平日の朝9時半~午後3時の希望の時間帯に、「個々の状況に合わせた学習活動」「教室外活動(体験活動など)」「文化活動(読書、創作)」「グループでの遊びやゲーム」などを実施しています。 

「天神」導入前のやまびこ教室では、自分一人で解答に行き着くことができない児童生徒に職員が個別に教えていましたが、利用者が急増したことを受けて学習支援の拡充が課題となっていました。 

「天神」が導入された理由は、

  • 小学校・中学校の検定教科書に準拠している点
  • 音声やアニメーションでの動画授業が要点や注意点をわかりやすく、苦手な単元についてもスモールステップで学習を進められる点
  • 「先取り学習・戻り学習(特許取得)」により小学1年生から中学3年生までの学年を自由に行ったり来たりして自分のペース・理解度に合わせて学習を進められる点

などが高く評価されたためです。 

最新のやまびこ教室での利用レポートの一部を抜粋してご紹介いたします。

2024年度のレポート抜粋

事例1)中学3年生男子

  • 使用期間 令和6年4月~令和7年3月
  • 主な利用教科 社会科 国語科 英語科 数学科
  • 利用目的 受験勉強のための学力補充
  • 生徒の様子

朝のチャレンジタイムにおいて「天神」に取り組む姿があった。
昨年度は教科が少なく、取り組みに抵抗があった。昨年度末のアンケートでは教科を増やしてほしいと要望していた。
今年度は教科が増え、取り組みやすくなったようである。

最初は得意教科で比較的問題に答えやすい社会科から取り組みながら、自分の苦手な教科にも挑戦する姿があった。
問題の意図が分からない場面では指導員に質問し、理解すると練習問題を何度も取り組んでいた。
年度末のアンケートでは「気軽に取り組めることがよかった。」と答えていた。
履歴をもとに、やまびこ教室で取り組んだことを学校の担任に報告し、本人の学習支援に役立てた

事例2)中学2年生男子

  • 使用期間 令和6年9月~3月
  • 利用教科 理科 英語科 数学科 国語科
  • 利用目的 テスト勉強のための学力補充
  • 生徒の様子

得意教科である理科を中心に学習する。
また、テスト勉強のために自分が苦手とする単元の復習をする姿もあった。
中学1年生の復習をこつこつと取り組む。
また、小学生が取り組んでいるときには、小学校の問題について、アドバイスしたり、詳しく教えたりするなど、「天神」をツールとして教え合うという場面がみられた。

事例3)小学5年生男子

  • 使用期間 令和6年4月~3月
  • 利用教科 社会科 理科科 算数科 国語科
  • 利用目的 学力補充
  • 児童の様子

指導員の声かけにより、小学生の復習に取り組んだ。
社会科の地図記号や、理科の知識について答える問題など、取り組めそうな学習から少しずつ取り組んでいた。
年度末のアンケートでは、「天神は分かりやすくてよかった。間違えたところを何度も復習できるところがよかった。」と答えていた。今後も使っていきたいと回答している。

まとめ

児童生徒に「天神」利用の満足度調査を実施したところ、
教室に「天神」があってよかったと思いますか」という問いの肯定回答率は90%であった。

肯定意見の理由では

  • 「使いやすかった。」
  • 「話すスピード等細かい設定を自分に合わせられるところがよかった。」
  • 「学校を欠席していてできなかった単元の補充ができてよかった。」
  • 「継続的に使うことで自分の成長を感じることができてよかった。」
  • 「間違えたところを何度も練習できるところがよい。」などの回答があった。

これからも天神を使おうと思いますかという問いの肯定回答は83%であった。

肯定意見の理由では、

  • 「やっていて楽しいから。」
  • 「分かりやすいから。」
  • 「テスト勉強になるから。」
  • 「プリントで学習するよりやりやすいから。」

と答えた児童生徒がいた。一方で「あまりよくなかった」と答えた生徒の理由は「そもそも学習が嫌いだから」という回答であった。

昨年度は4教科しかなかったが、今年度は9教科となり、取り組む選択の幅が広がり、「ちょっとやってみよう」という児童生徒が増えた

得意な教科から始めたり、クイズ的な問題(地図記号、生活科の問題等)から始めたりすることで、学習に対する意欲喚起に役立った。また、複数で一緒に取り組むという姿も生まれた。中学生が小学生に教えるという姿もあり、コミュニケーションツールとしても役立った。

株式会社タオでは、不登校を始め教育に関するウェビナーを開催しています。
「ウェビナーを聞いてみたい」「もっと詳しい話を聞きたい」とご希望の方は資料をご請求ください。

お問い合わせ

受付時間
10:00~19:00
(平日・土・祝 /日曜日除く)

メールフォームから
お問い合わせ

よくあるご質問