個人情報や社内情報をAIに渡さず、自作のWEBアプリを使う方法【AI Studio活用術】


「Google AI StudioやChatGPTなどのAIで便利なWebアプリを作ってみたいけど、入力した個人情報や社内データが学習に使われてしまうのが心配…」

そんな不安から、便利なAIツールの利用をためらっていませんか?

今回は

  • AIで生成したアプリ=AIを使うプログラムだから個人情報入力はダメ
  • AIを使わないアプリでもAI Studio上で入力するのは怖い

そんなふうにお考えの向けの内容となります。

AIで生成したアプリ=AIを使うプログラムだから個人情報入力はダメ?

確かに、AIにデータを渡すことには慎重になるべきです。
しかし、必ずしも「AIが生成したアプリ=AIを使うアプリ」とは限りません
AIを使わないプログラムなら、もしかするとあなたのパソコン上にダウンロードして使えるかもしれません。

例えば「入力した文章内の東京都をすべて大阪府に変えるアプリを作って」といったような指示をして作られるアプリは、AIを使わずに作成されます。

AIで動いているアプリ?それともAIで作ったアプリ?の判別方法

ローカルでも使える請求書ジェネレーターを作成していたので、実際にAIに聞いてみました。

あなたも、作成中のアプリがあれば下のように質問してみましょう。

このシステム内ではAIを使っていますか?

すると回答はこうきました。

  1. 作成された「請求書ジェネレーター」アプリケーションについて
    いいえ、このアプリケーション自体にはAIは一切使用されていません。
    これは、フォームに入力されたデータに基づいて、あらかじめ決められた処理(計算やPDFのレイアウト作成)を行う、従来のプログラムです。HTML、CSS、JavaScriptといった標準的なウェブ技術のみで構成されています。
  2. このアプリケーションを開発している「私」について
    はい、私自身はAIです。
    私はGoogleによって開発されたAIであり、あなたからの「ヘッダーに画像を入れたい」といった自然な言葉でのご要望を理解し、それを実現するための具体的なHTMLやJavaScriptのコードに変換する、という役割を担っています。
  3. まとめ
    成果物であるWebアプリには、AIは含まれていません。
    Webアプリを作るための開発ツール(私とのこの対話)として、AIが使われています。
    例えるなら、私がAIという高機能な工具で、あなたはそれを使って請求書アプリという棚を作っている、というような関係です。棚自体にAI機能はありませんが、作る過程でAI工具が役立っている、とお考えいただければと思います。

このようなアプリの場合、AI Studio上で動作させる必要はありません。

「AIを使わないアプリでもAI Studio上で入力するのは怖い」の対策

このように、WEBアプリ自体にAIを使わない場合、ご自身のパソコン(ローカル環境)で利用することで、「個人情報が漏れたらどうしよう」の心配は払拭できます。

この記事では、AI Studioなどで作成したアプリケーションを、外部に情報を一切送信せず、安全に利用する方法と、具体的な活用アイデアを解説します。

なぜ「AIに情報を学習させずに使える」のか?

ポイントは、アプリケーションの「頭脳(AI)」「見た目や手足(UI)」を切り離して考えることです。

  • 頭脳(AI):
    • 文章の生成、要約、翻訳など、高度な判断を行う部分です。
    • この機能を使うには、Googleなどのサーバーにデータを送信する必要があります。
  • 見た目や手足(UI):
    • ボタンや入力フォームといった画面の見た目(HTML)、装飾(CSS)、そして画面上での簡単な動き(JavaScript)で構成されます。
    • これらは、お使いのパソコンの中にあるブラウザ(ChromeやEdgeなど)だけで動作が完結します。AIのサーバーと通信する必要は一切ありません。

つまり、AIに作らせたプログラムのうち、HTML・CSS・JavaScriptだけで動く部分を自分のパソコンにダウンロードしてしまえば、インターネットから切り離された安全な環境で、情報を外部に送ることなく利用できるのです。

「それでも怖い!」とお考えなら、インターネットをすべて切断して試してみてください。

3ステップでできる!具体的な使い方

では、実際にどのように使うのか、手順を見ていきましょう。ここでは例として、簡単なアプリのコードを生成して、自分のPCで動かしてみます。

ステップ1:AI Studioでコードを生成する

まずは、AI Studioにアクセスし、作りたいアプリの仕様を伝えてコードを生成してもらいます。

プロンプト例:

#作りたいもの
*テキストエリアに入力された文字数をリアルタイムでカウントしてください。

#仕様
*ReactやTypeScriptは使わないでください。
*HTML/CSS/JavaScriptだけで作ってください。

AI Studioが指示に沿った仕組みを作ってくれます。

※今回は、別件で請求書ジェネレーターを作成したので、こちらをダウンロードしてみます

請求書ジェネレーター

既に作成したアプリの場合

既に作成してあるアプリは、おそらくそのままではローカルでは動きません。
AI Studio上でなくローカルで動かすためには、以下を入力してみましょう。
※念の為、画面右上の「Copy App」でコピーしたファイルで行うことをおすすめします。

このアプリをReactやTypeScriptは使わないで、HTML/CSS/JavaScriptだけで作ってください。

文章生成や画像作成などを行わない、AIを使わない類のWEBアプリなら、対応してくれるはずです。
もし、無理な場合には、理由も含めて返答されます。

ステップ2:生成したファイルをダウンロードする

コードが生成されたら、AI Studioの右上の方にある「Download App」のボタンを探してクリックします。

Chromeを使っている場合、ダウンロードが完了したら次のような表示がされるはずです。ご自身のダウンロード対象フォルダを確認しましょう。

圧縮ファイルでダウンロードされるので解凍します。

デスクトップ等使いやすい場所に、フォルダを置きます。

たったこれだけで、安全に使えるファイルの準備は完了です。

ステップ3:ブラウザで開いて使う

保存したHTMLファイルをダブルクリックするだけで、自動的にブラウザが起動し、作成したアプリ(今回は請求書ジェネレーター)が開きます。

必要な情報を入力すると・・・

PDFができあがり。

この画面で入力した内容は、あなたのパソコンの中だけで処理され、外部のサーバーには一切送信されません。 これなら、個人情報や社外秘の情報を扱う際にも安心して利用できます。

  • 請求先の情報をセットで登録しておきたい
  • 税込だけでなく、税別と消費税額を分けて記載したい
  • レイアウトを調整したい

などまだ改良点があります。改良したい場合には、再度AI Stuido側でAIに対して、上記の指示を伝えましょう。
修正されて望み通りの動きになったら、再度ステップ2以降の操作で、ローカルにダウンロードして実際に使えるか試しましょう。


まとめ:賢く使い分けてAI開発をもっと身近に

今回ご紹介した方法は、AIが生成したプログラムを、情報を一切外部に送信することなく安全に利用するための非常に有効な手段です。

  • メリット:
    • 情報漏洩の心配がない
    • オフラインで使える
    • 動作が高速
  • 注意点:
    • AIの機能(文章生成など)は使えない

「データが学習に使われるかも」という懸念から利用を諦めるのではなく、AIの力が必要な部分と、今回のようにローカルで安全に使える部分を賢く使い分けることが重要です。

プログラミング知識がなくても、AIを使うと自分の業務に即したアプリを簡単に生成できます。
当社でも、プログラミング知識のない人でも「プログラマーに依頼せずに簡単にアプリができて、仕事が楽になった」という声が多数あげられています。

ぜひこの方法を活用して、情報漏洩のリスクをなくし、安全にAIを活用してみましょう。

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