2歳児の「言葉の発達が遅れる4つの要因」と「言葉の発達を促す5つの方法」

大まかな目安として、2歳になると運動機能が発達し、生活の中でも徐々に自立が始まります。そして話す言葉が急に増えるこの時期は成長の個人差が大きく、お子様の言葉の発達に不安を感じている方もいるのではないでしょうか。

この記事では2歳児の言葉の発達についてや、言葉を教える際のポイント、言葉が遅いと感じた時の対処法などをご紹介します。

目次

2歳児の言葉の発達について理解しよう

2歳頃は運動機能や指先の機能が発達し、着替えや食事の自立が始まる時期です。言葉も飛躍的に発達する時期で、これまで単語だけだった言葉が

「ワンワンかわいい」
「おさんぽいく」

などの2つの言葉をつなげた2語文がだんだんと話せるようになります。

また好奇心も旺盛になり「これなあに?」「なんで?」とたくさん質問をするようになります。物や人に名前があることを理解し自分以外に興味を持ち始めるのもこの頃です。

2歳児の言葉の発達には個人差があり、2語文を使って上手に話す子どももいれば、単語がまだ出ない子どももいます。これは言葉の発達が性格や生活環境、月齢などに大きく影響されるからです。

お子様が他の子どもと比べて言葉が遅いと感じて不安になることがあるかもしれませんが、焦ることなく、この記事でご紹介する方法も参考にしていただきながら、お子様に合った取り組みをしていきましょう。

男の子・女の子で言葉を話し始める時期は違う?

男の子・女の子で言葉を話し始める時期は違う?

女の子は男の子より言語をつかさどる脳の発達が早いため、言葉が早い傾向がある、といわれます。しかし性格や生活環境の違いもあり、一概に「女の子が早い」とは言い切れません。言葉を話し始める時期の違いは、性別以外の要因も関係するため、時期の差は男女関係なくあると考えましょう。

2歳の子どもはどのくらい言葉を理解している?

2歳になると物や人に名前があることを理解して、友達の名前がわかるようになります。そしてコミュニケーションが取れるようになり、自分の思いを身近な大人や友達に言葉で伝えようとし始めるのがこの時期です。

また2歳児は相手の思いや考えを言葉だけではなく、相手の表情や行動からも読み取っています。そのため大人が思っているより多くのことを理解していると考えていいでしょう。

しかし自己主張が強くなる時期でもあるため、大人の言葉を理解していても言うことを聞かないことも多くなります。その場合「ダメ」などの一語ではなく子どもにわかるように「これは危ないからやめようね。」ときちんと理由を伝えるよう心掛けましょう。

2歳児の言葉(語彙数)の目安

2歳は驚異的な速さで言葉が発達する年齢です。どのくらいの語彙があるのか年齢別に見てみましょう。

年齢語数文章
1歳約3語1語文
1歳半約30語
2歳約300語2語文
2歳半約400語
3歳約900語3語文
3歳半約1200語
子どもの発音と言葉のハンドブック 山崎祥子著 芽ばえ社

表の語彙数を見てみると、1歳半が約30語であるのに対して2歳になると約300語と10倍になっています。他の期間もかなりのスピードで増えていますが、約半年で10倍になるのはこの時期だけです。

2歳児への言葉の教え方

普段の生活の習慣や声掛けを少し変えるだけで、言葉の発達を促すことにつながります。ここでは、簡単に取り入れられる方法を紹介します。

絵本を読み聞かせること

絵本の読み聞かせは、子どもが言葉を覚える良いきっかけになります。絵本の内容はわからなくても、興味のある絵と一緒に言葉を聞くことで、言葉を記憶し語彙が増えていきます。また言葉を記憶させるポイントとして、本の中に登場するものを指さしながら声掛けをしてみましょう。たとえば、「これは猫だね」と伝えることで子どもは「これが猫か」と覚えやすくなります。中には本に興味を示さない子どももいますが、成長する過程で興味は変わっていくため無理強いせず子どもが本を読みたくなるまで気長に待ちましょう。

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日常的に話しかけること

言葉の発達は、言葉を聞いて理解することから始まります。日常的に多くの言葉を話しかけると、言葉が記憶に蓄積し理解が進みます。子どもに話しかけるときは、子どもと目を合わせたり同じものを見たりしながらコミュニケーションを取りましょう。それが子どものコミュニケーション能力の発達を促し、結果的に言葉の発達へとつながります。

たとえば子どもから「これなあに?」と質問されたら一言で返すのではなく、「昨日おばあちゃんに貰ったりんごだよ。赤くて甘そうだね。」と文章で返すようにしましょう。そうするとさらに「なんで?」「どうして?」とつながり会話の楽しさを覚えていくのです。

言葉を話したらほめてあげること

子どもが言葉を発するには安心感が必要です。そのためにはまず褒めて安心させてあげることが大切です。

たとえば子どもが「ちょうだい」と言いたいとき「ちょ」だけで伝えたとしても「ちょうだいだね。よく言えたね。」と促しながら褒めましょう。子どもが言葉で伝えたくなる状況を繰り返し作ることで、言葉の定着につながります。絵本やカードを使って「犬はなんてなくの?」「ワン」「よくできたね」と褒める要素がある遊びを取り入れるのもおすすめです。褒められることで話す意欲につながり語彙も増えていきます。

子どもの話す言葉が間違っていても何度も注意したり話を遮ることはやめましょう。注意されることに緊張して話さなくなったり、話すことが嫌になったりしてまいます。

言葉を話すのが遅れる要因

2歳児の言葉の発達度合いはいろいろな要因によって影響されます。主な要因を4つ紹介します。

性格などの要因

子どもに特に問題がなくても、性格によって言葉が遅れることがあります。感受性が豊かな子や積極的に周りと関わる子は、言葉が早い傾向にあります。もともと内向的な子や大人しい子、話す必要性を感じていない子は、なかなか言葉を人前で発しません。そういった性格の子は、月齢が進むにつれて自然と言葉が出るようになります。

子どもの様子を見て、コミュニケーションが取れていたりこちらの言うことを理解していたりして、他に気になる所がないのであれば言葉が出るまでもう少し待ってみましょう。

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環境などの要因

子どもの生活環境も言葉の発達に影響します。

普段関わる大人が少ないと、話したり会話を耳にしたりする機会がなかなかありません。子どもは大人の会話を聞いたり、話し掛けられたりすることで言葉を覚えていきます。また年齢の高い子どもとの関わりも言葉の発達を促す要因になるため、兄弟の有無で発達の様子が変わることがあります。他にも、大人が良かれと思って、子どもが話す前に先回りをしてしまって発言することで、子どもが話す機会を奪ってしまっているということが影響する場合があります。

多くの場合、集団生活が始まり人との関わりが増えてくると自然に言葉が出て来るようになります。

聴覚などの要因

言葉が遅い子どもの中には、聴力の発達に問題がある場合があります。子どもの言葉の順調な発達には、言葉を聞くための聴力が欠かせません。言葉の発達に遅れを感じたら、聴覚に異常がないか確認することをおすすめします。

後ろから呼んでも反応しなかったり、言葉の発音や音量が不自然だったりする場合、また聞こえていないかもと思う場面があるなら、聴力の発達に問題があるかもしれません。まずはかかりつけの小児科に相談してみましょう。

発達障害などの要因

言葉が全く出ない場合は、発達障害などの可能性があります。

言葉の遅れとともに「話を理解しない」「他人との関わりを好まない」「話そうとしない」「目を合わせない」といった症状が見られる場合は、発達障害などの原因が考えられます。ただし、これらの項目が当てはまるからと言って発達障害と断定はできません。気になる場合は専門機関や医療機関に相談してみることをおすすめします。

言葉を話し始めるのが遅いと思ったら

言葉を話し始めるのが遅いと思ったら

2歳児の言葉の発達は個人差が大きく、一般的に言われる言葉の発達過程より遅れていたとしても過度に心配する必要はありません。それでも気になる場合は、今の環境を少し変えてみることで言葉の発達を促す可能性があります。

ここからは言葉が遅いと感じた時の子どもへのアプローチ方法を紹介していきます。

体を動かして脳に刺激を与える

言葉は実際に触れたり体験したりする場面で、より習得しやすくなるとされています。

たとえば子どもにボールという言葉を教えるとき、ただ見せるだけよりも、実際にボールで遊んで感触や使い方を体験した方が記憶に残り、言葉を覚えやすいということです。 また体を動かすと聞こえた言葉を感じ取って伝える脳の機能を高める効果が期待でき、結果言葉の発達も促されるでしょう。

環境を変える

コミュニケーション不足や性格が原因で言葉が遅れている場合、環境の変化が言葉を話し始めるきっかけになる可能性があります。子どもは同じ年代の子どもと関わることで、言葉を発する機会が増えます。普段関わる機会がないなら児童館などの子どもと触れ合える場所に行ってみるのもおすすめです。

また、積極的に楽しいことを体験する機会を作ることも大切です。そうすることでそれを誰かに伝えたいという気持ちが芽生え、その気持ちが言葉を話すきっかけになります。特別な体験をさせる必要はありません。普段行かない公園や、普段と違う散歩道など子どもにとって刺激を感じる場所に行ってみましょう。

話しかける回数を増やす

普段から話しかける回数を増やすと、子どもが単語を聞く機会が増え、語彙が増えていきます。

言葉を引き出すためには同じものに注目しながら話すことが大切です。子どもが鳥を見ていたら「鳥さんだね」と同じものを見て話し掛けましょう。また「白いね」「小さいね」と特徴を伝えると語彙が増えることにつながります。

また言葉は五感と結びつけると記憶に残りやすくなるため、日常の活動の中でも積極的に話し掛けると良いでしょう。たとえばバナナを食べたら「バナナだね」「甘くておいしいね」と声掛けをします。手洗いや歯磨きをするときも「手を洗おうね」「歯磨き気持ちいいね」「水がつめたいね」など触れたり行ったりしながらの声掛けが、言葉の発達に効果的です。

コミュニケーションをとる回数を増やす

子どもにもし、人や物に興味がなく好奇心がわかない様子が見られたら、コミュニケーション能力が育っていないのかもしれません。これは、大人が積極的に子どもとコミュニケーションを取ることで改善される可能性があります。

子どもは興味があることの方が集中力が高まるため、子どもの好きなことに対して声掛けや質問をしてみましょう。質問は子どもの言葉を引き出すきっかけになります。また、子どもがこちらを見て目が合った時は「なあに?」「どうしたの?」と子どもの視線に対して反応をします。するとコミュニケーション能力の発達が促され、やがて言葉の発達につながるでしょう。

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見守る

子どもの発達はわかりやすいものではなく、言葉の発達が進んでいても言葉として出ないと不安に感じてしまいます。

しかし今まで話さなかったのに急にたくさんの言葉を話す場合もあるため、焦らずに見守ることが大切です。言葉を話すように強要したり、言葉を何度も注意したりはせず、子どもの成長に寄り添うようにしましょう。

発達障害かな?と思ったら(心配ならば、専門の相談機関へ)

2歳児の言葉の発達度合いや言葉の遅れの原因を紹介しましたが、それでも心配なら専門の相談機関に相談してみましょう。特に単語が出ない場合は受診しておくと安心です。 専門機関に診てもらうことでわからなかった原因が判明したり、言葉の発達を促す良い方法が見つかったりすることもあります。

ここまでご紹介したとおり「言葉を促す」ためには

体を動かして脳に刺激を与える
環境を変える
話しかける回数を増やす
コミュニケーションをとる回数を増やす

上記のような対策を行う必要がります。

しかし、家事・育児・仕事などもあるし、それにプラスして色々なことを追加していくのは大変、、、 
分かった気がしてもポイントをおさえながら実際にするのは大変そう、、、

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幼児期は脳は6歳までに90%ができあがると言われます。
「幼児教育はまだ早い」と思われている方ほど、早めの取り組みをおすすめします。

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