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ICT教材を導入するなら「天神」

開会のご挨拶と本日のテーマ紹介
はい、それでは11時となりましたので、オンラインセミナーを開始いたします。本日も、株式会社タオ東京支店、工藤が進行させていただきます。よろしくお願いいたします。
本日のテーマは、昨今、私たちの日常にもかなり浸透してきている生成AIの活用方法と、AIがシステム機能として搭載されたICT教材について、情報提供をさせていただきたいと思います。教室運営や事業運営をこれから考えられている方々のお役に立てれば幸いです。
それでは、早速始めさせていただきます。
本日のセミナー内容は、大きく分けて以下の3点です。
まだ登場して1、2年の比較的新しい技術であるため、様々な声が上がっています。
1. AI搭載ICT教材:最新動向と現状
まず、AI搭載のICT教材について少しお話しします。弊社では学習システムICT教材「天神」を開発・販売しておりますが、「天神にAI機能は搭載されていますか?」というお問い合わせを最近いただくことがあります。結論から申し上げますと、現在の「天神」には、AIという仕組みをシステムとして組み込んではおりません。
ただし、つまずいた箇所や学力を判定しながら、体系的に学習できるロジックというシステムの仕組みは入っております。
ここ数年、AI搭載型が流行りと言いますか、時代背景もあるのでしょう。AI教材という名目でアピールしている教材が徐々に増えてきております。
AI教材の主な機能:個別最適化と誤答分析
具体的に、AIがICT教材のシステムとして組み込まれている主な部分としては、以下の2点が挙げられます。
これらの機能がAI搭載という形で、AI教材として登場しています。
効果的な教科と教材ごとの違い
効果的な教科としては、算数や数学のような系統性のある学習において、非常に有効に機能すると考えられます。また、過去の学習履歴データや解答時間からも分析が可能です。途中式を記述できる仕組みを搭載したシステムもあります。
例えば、A社の商品は、学習にかかった時間や過去の状況からAIが分析を行っています。一方、B社の商品は、問題を解く過程を記述できる仕組みがあり、その過程からAIが分析を行っています。このように、同じAI搭載と謳っていても、システムの内容は教材によって異なります。
ここ数年、AI教材は徐々に登場しており、今後もAI教材と謳うものは増えていくでしょう。
2. AI教材のメリット・デメリット:現場の声から読み解く
現在、多くの商品が開発され始めたばかりで、市場に出回って1、2年のものも多いのが実情です。そのため、現場からはメリット・デメリット両方の声が上がっています。教材メーカーの立場としても、様々な声を聞くことができますので、それらをまとめてみました。
AI教材のメリット:個別学習の進化
AI教材のデメリット:現時点での課題と懸念点
ここからは、デメリットについてもまとめてみました。様々な声がありますが、大きく3つの視点にまとめられます。
- AIの「ブラックボックス化」と判断基準の不透明さ:
AIの分析方法(アルゴリズム)自体がブラックボックス化しており、その仕組みが見えづらいという使い勝手の問題が現場から挙がっています。学習の進捗や理解度に関する判断基準が不透明で、指導する側が意図したものではないため、スムーズにいかないという声もあります。結果として、指導側が「なぜこの問題なのか」「なぜこの単元なのか」を把握しにくいケースがあります。また、AIの判断が常に正しいとは限らず、その判断基準を人間側が検証できないという課題もあります。 - 分析の「精度」と「過度な依存」のリスク:
教材によっては、AIの仕組みがパターン化されたアルゴリズムに過度に依存してしまう可能性があります。データの偏りがあった場合、学習内容にもその偏りが反映されてしまうという、悪いループに陥るケースも考えられます。これが現時点でのAI教材に関する主な懸念点の一つです。
また、誤答の判断や誤りの原因分析がまだ弱い、あるいは正確でないという点も多く挙がっています。例えば、誤答の原因が計算ミスなのか、概念自体の理解ができていないのか、といった判別が難しい、分かりづらいという状況です。AIは間違えた事実自体は認識しますが、なぜ間違えたのかという分析の背景が不十分なケースが見受けられます。ただし、これはあくまで現時点での話です。今後、AIの精度が向上したり、教材メーカーがより深いロジックを組み込めば、改善の余地は十分にあります。 - 学習意欲への影響:子どもの目線でのデメリット
学習する側、つまり子どもたちの目線でのデメリットです。AIの判断で導かれた学習内容に対して、「なぜこの問題なのか」を理解しにくいケースがあります。AIが提示する問題に納得感がなければ、やらされ感につながり、モチベーションの低下を招きます。ICT教材は先生がつきっきりになれない場合もあるため、子どもたちが主体的に取り組めなくなってしまう可能性があります。
生徒の声として、「間違えるとすぐ前に戻されてしまう」「何度も戻りすぎてやる気がなくなる」「テンポが悪く、やる気を失ってしまう」といったものがあります。ある教材では、学力層で言えば上位層には有効でも、中間層以降には合わないという声も聞かれました。これは、演習量をこなせば理解が定着するという前提で設計されているAI教材の場合、学びの多様性や考え方の方向性への対応が十分でない可能性があるという指摘もあります。
3.次世代ICT教材としての新しい「天神」について
3. AI教材活用の鍵:人間との「協働」という視点
AI教材の活用において、今後大事になるであろう点をまとめました。
AI教材が必ずしも万能ではないということを理解することが重要です。AI教材は、先生方の代替となるものではなく、あくまで教育を支援するための強力なツールです。
AIに任せられる部分(例:定型業務の効率化)はAIに任せ、人間だからこそできること、人にしかできないこと(例:生徒との関わり、深い指導)に力を入れる。いわゆる「協働」という形で進んでいくのが良い形でしょう。
デメリットとして挙げた点は、現時点での課題です。これらの点を正しく理解し、対策を講じながら活用することで、より良い教育の姿が作られていくはずです。
4. 学校教育におけるAI活用:文科省の戦略と「メクビット」
学校教育でのAI活用についても、情報として持っておくと良いでしょう。教育の現場は今、大きな変換期を迎えています。
文部科学省は2023年7月にAI生成AIの活用に関するガイドラインを公表し、2024年12月には改訂版を公表しました。その主な方向性は以下の4点です。
また、文部科学省が推進するCBTシステム「メクビット」について。これは、児童生徒が学校や家庭で学習やアセスメントを行えるシステムで、現在、多くの学校で登録・活用が進んでいます。全国の教育委員会が作成した問題も活用できるプラットフォームとなっています。
ガイドラインからは、AIを学習指導に直接落とし込むというよりは、教員の業務効率化や公務のDXに重点を置いていることが読み取れます。同時に、AIの危険性についても強く謳われています。
5. 教室運営の「困った」を解決!生成AI活用術
AIは、教材としてだけでなく、事業運営や教室運営にも役立ちます。例えば、以下のような場面で時間がかかっていませんか?
これらの業務は、生成AIを活用することで、大幅に改善できる可能性があります。
株式会社タオでは、ホームページで「学習塾のAI活用術」といったコラムを発信しており、チラシ作成のAI活用法などを紹介しています。ぜひご覧ください。
また、AI初心者向けの無料相談サポートも行っています。AIの活用方法に悩んでいる方は、お気軽にお問い合わせください。
まとめ:AIと共に創る未来の教育
生成AIは、教室運営における雑務や定型業務を効率化できる強力なツールです。AIに任せられる部分は任せ、先生方は生徒との関わりや学習指導により一層集中することで、やりがいを感じられるはずです。
現時点のAI教材やAI活用においては、まだグレーな部分も多いという声もあります。AI教材を使う場合も、伴走して理解し、使いこなす必要があります。AIの持つ強力なツールの有効性をうまく活用していくことが重要です。
本日のセミナーは以上となります。AIは業務支援の可能性を秘めていますので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
アンケートへのご協力もお願いしております。後日メールでもお送りしますので、そちらからご回答いただけると幸いです。
また、毎回のセミナーのアーカイブ配信も行っておりますので、ぜひご活用ください。
ご清聴いただき、ありがとうございました。
