3歳の記憶力はどのくらい?3歳児の記憶力の発達段階と、記憶力を伸ばす取組み

記憶力は、日々生活を送る上で必要になる大切な能力です。そのため、お子様が快適に過ごせるように、記憶力を伸ばしたいと考えている保護者の方も多いのではないでしょうか。また、中には、

「わが子の記憶力は平均的にみて、良い方?悪い方?」

と疑問に感じている保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、3歳児の記憶力について詳しく解説していきます。また、記憶力の発達段階と、記憶力を伸ばす取り組みなどについても説明していきますので、ぜひ最後までお読みください。

目次

3歳児の記憶力について

まずはじめに、3歳児の記憶力について説明していきます。ここでは、「3歳児の発達段階」「3歳児の平均語彙数」の2項目について、具体例も挙げながら説明していきます。

ではさっそく、詳しく見ていきましょう。

3歳児の発達段階

一般的に、3歳児は下記のようなやり取りが可能です。個人差がまだまだある時期ですが、以下のやり取りを発達段階の目安として判断すると、健診の際などに医師に相談しやすくなるでしょう。

発達段階の目安
  1. 2〜3単語記憶し、伝えることができる。(例:みかん、りんご、バナナなど)
  2. どこに目的物が隠されたか記憶できる。(例:3つ程度の紙コップの中にお菓子などを見せながら入れる。
    ※「どの紙コップにあるかな?」と質問すると、当てることができる。)
  3. 隠された目的物が移動しても視覚的に追うことができる。(例:紙コップ3つのどれか1つにお菓子を入れる。紙コップを移動しても、お菓子がどこにあるか目で追い続けることができる。)

3. のやり取りは、3歳児だからこそできるやり取りといえるでしょう。1〜2歳児の場合は、右側の紙コップにお菓子を入れた場合、紙コップを移動しても右側にお菓子があると考える場合がほとんどです。しかし、3歳児ならば「ここにあったお菓子はここに移動した!」と記憶を更新し続けることができるので、最終的にお菓子がどこにあるのか当てることができるのです。

ただ、これらの取り組みは、お子様の個性も反映します。例えば、1. にしても、好きな単語ならばより多くを記憶できるかもしれませんし、苦手な単語ならば平均以下になることがあるでしょう。また、3. のやり取りも、お菓子に興味がない場合は記憶しようとしないかもしれません。

この時期は、このような差異が生じやすい点も保護者は頭に入れながら、お子様の記憶力を判断することが大切です。

3歳児の平均語彙数

語彙力は、言葉を覚えていればいるほど豊かになるといっても過言ではありません。そのため、語彙力は、どれくらい言葉を覚えているか(=記憶力)の判断材料にすることができます。

その点を踏まえた上で説明をすると、3歳児の語彙数はおおよそ1,000となっています。

また、この時期の特徴として、関連付けの記憶が可能な点も挙げられます。関連付けの記憶とは、うさぎは動物、みかんは食べ物といったように、関連する単語も理解しながら覚えられるようになることです。

そして1点補足があります。語彙力は記憶力とも関係していますが、日常生活で言葉に触れる機会が多ければ多いほど語彙数は向上していくものです。そのため、語彙数が少ないから記憶力が悪いとは一概にはいえません。語彙数が少ない場合は、まずは会話を増やしたり、絵本の読み聞かせなどを行ったりするようにしましょう。

記憶力は発達する能力

記憶力は発達する能力

記憶力は、脳の成長と共に伸びるだけでなく、日頃の訓練でさらに伸ばすことができる能力です。特に小さい頃から、「覚える→記憶を保つ→思い出す」という記憶のステップをくり返すことで、記憶力(記憶する力)を鍛えることができます。

具体例を挙げると、神経衰弱などがあります。はじめから全てのトランプを使うのではなく、同じ絵柄(ペア)のシールやカードを3〜5組程度用意して行う神経衰弱ならば、3歳児のお子様でも取り組みやすいはずです。

また、買い物などから帰ってきたときに、「今日は何を買ったか覚えている?」といったような、記憶をたどる会話からはじめてみるのもいいでしょう。

このように、記憶力は日頃のやり取りで鍛えられる能力と理解することが大切です。保護者は子どもの記憶する力を最大限に発揮する関わりを、常に心がけるようにしましょう。

記憶の種類について

次に、記憶する力の種類について解説します。ここでは、「感覚記憶」「短期記憶(左脳記憶)」「長期記憶(右脳記憶)」の3つについて説明していきます。

どのような記憶があり、どのような力があるのか理解すると、記憶力を鍛える上で、より理想的なアプローチがしやすくなります。ぜひ以下の内容も参考にして、お子様と関わるようにしましょう。

感覚記憶

感覚記憶は、最も短い記憶のことです。また、感覚記憶は感覚機能から感じ取った記憶を1〜2秒程度一時的に記憶するだけなので、記憶として処理されずに消えてしまう場合がほとんどです。

例えば、人ごみの中を歩いているときにすれ違っている人たちや、本を開いた状態でただぼーっと眺めている状態が感覚記憶の具体例となります。

このように、感覚記憶は「人はいたけれど誰だったかな?」「本の文字は書いていたけれど内容は分からない」といったように、感覚で得た情報が処理されないままの記憶のことをいうのです。

短期記憶(左脳記憶)

一時的な記憶(短期記憶)をするのに働く部分が、左脳です。おおよそ20秒〜1分以内の記憶が可能で、「繰り上がりのある計算」や「朗読」にも使われる記憶力です。また、電話番号などの数字を一時的に記憶するのも短期記憶になります。

そして、3歳から12歳程度までの期間が、短期記憶(左脳記憶)が最も成長する時期と考えられています。つまり、3歳のお子様ならばこれからどんどん成長していく力といえるのです。短期記憶の黄金期は、理想的なアプローチを心がけるようにしましょう。

長期記憶(右脳記憶)

長期的な記憶(長期記憶)をするのに働く部分が、右脳です。自分の名前や家族の名前、日常動作や過去の出来事(思い出)など、長期的な記憶は日々の生活の中でも非常に大切な記憶になります。

しかし、長期記憶は短期記憶とは異なり、3歳頃をピークに能力自体は低下していきます。とはいえ、長期記憶の使い方(記憶方略)を理解しはじめるのは5歳ごろからなので、長期記憶の強化を常に心がけることが大切です。

子どもの理解力と記憶力の関係

ここまでは記憶力について説明をしてきましたが、ここでは理解力について説明します。

というのも、記憶力が良かったとしても、理解力が悪ければ、記憶力を理想的な形でアウトプットすることができない可能性が高いからです。ここでは、「理解力と記憶力の違い」「理解力を身につけるために必要な記憶力」「3歳児の理解力の目安」について解説していきます。さっそく、子どもの理解力と記憶力の関係について、詳しく見ていきましょう。

理解力と記憶力の違い

記憶力は前述してきた通り“記憶する力”ですが、理解力は“理解する力”のことです。分かりやすい例で例えると、テストの際に記憶ができていても、文章を読む力や、質問の意図を理解する力がなければ回答欄を埋めることは難しいですよね?

冒頭で記述した「3歳児は2〜3単語記憶できる」という例で例えると、3単語は記憶できているけれど何を問われているか理解ができず、発言できないといった子どもがこれにあてはまります。

このように、理解力と記憶力は異なる力であることと、どちらも大切な力であることを、保護者は理解することが大切です。

理解力を身につけるために必要な記憶力

理解力を育てるためには、「課題を解決するための方法や手掛かりとなる情報」をスムーズに引き出すことが大切です。また、必要になる情報をしっかり記憶し、保持する必要もあります。

例えば、目の前にある未開封のお菓子を食べたいと考えた場合、袋を開ける必要があるという過去の記憶を引き出さなければいけません。そして、「切り口というものがある」や「はさみを使うと開けられる」といった記憶があるからこそ、課題解決がスムーズに行えるのです。

このように、問題を解決するためには、必要な知識や経験を記憶することが大切です。何もせずに知識や経験は増えませんので、保護者はその点を理解し、お子様と関わる必要があるのです。

3歳児の理解力の目安

一般的に、3歳児の理解力は、以下のような言動が見られれば一般的な水準に達していると考えられます。

3歳児の理解力の目安
  • 人の話を集中して聞くことができる
  • 質問に対して適切に答えることができる
  • 「例えば」など、仮定の話を理解することができる
  • 接続詞を使用して会話することができる
  • 理由を伝えることができる
  • 自分の体験(報告)を適切に話すことができる
  • 物事に集中して取り組むことができる
  • 左右が分かる
  • 文字や数字に興味を示す
  • じゃんけんができる

例えば、「左右が分かる」は右と左があることや、右はこっちで左はこっちなど、右左の概念を理解し、記憶できているからこそ可能になるものです。じゃんけんも、グーとチョキとパーがあり、どのタイミングで出せばいいか理解ができているから取り組める遊びです。

このように、理解ができているからこそできる言動は、お子様の理解力をはかるのに最適な判断基準です。

3歳児から行うべき記憶力を伸ばす方法

お子様自身の体験や経験が記憶として残るようになるのは、3歳前後からといわれています。つまり、3歳前後の子どもは“記憶する力が備わっている時期”といえるでしょう。

そこで最後に、記憶力を伸ばすためにぜひ取り組んでいただきたい、5つの方法をご紹介します。日常生活でも取り入れやすいように、分かりやすい例を挙げて説明していきます。ぜひ、以下の内容をお子様との関わりに取り入れてみてくださいね。

絵本を読み聞かせる

絵本には語彙数を増やす力と、想像力・創造力を育む力があります。絵本の読み聞かせを通して多くの作品に触れることで、普段は耳にすることのないような言葉をいくつも記憶することができるでしょう。

また、様々なストーリーや展開も子どもは記憶します。その記憶は、想像力・創造力の基盤になるでしょう。

そして、絵本の読み聞かせは子どもにとって心が落ち着く心地よい時間です。安心感や嬉しい気持ちは記憶力の向上にプラスに働くといわれているので、ぜひ絵本の読み聞かせを取り入れるようにしましょう。

日常生活に習慣・ルーティンを取り入れる

日常生活に習慣・ルーティンを取り入れることで、長期記憶の向上につながります。

例えば、着替えて顔を洗うという行動を子どもに覚えてもらいたいとします。しかし、したいときにするようにすると、着替えや顔を洗うという行動を忘れてしまうことがあるでしょう。

しかし、起きたら着替えて顔を洗うという習慣をつければ、そのルーティンが記憶として残り、定着(長期記憶)するようになります。習慣化やルーティン化は、記憶の定着に非常に効果的です。

視覚的な情報を活用する

感覚記憶は処理されずに忘れてしまうことがあります。また、定着しにくい点も感覚記憶のデメリットといえるでしょう。そのため、声がけ(聴覚)などは、お子様の記憶に残りにくい場合があります。

しかし、イラストなどを使うと興味を持ちやすくなるので、視界にとどめる時間が長くなります。そして、イラストなどは子どもにとってインパクトが強いので、記憶に残りやすいという特長もあるでしょう。

このように、視覚的な情報を活用することは、記憶力を伸ばすのに非常に効果的な方法といえるのです。

たくさんの言葉を使って会話する(オノマトペも)

子どもの記憶力を伸ばすのに、絵本の読み聞かせがいいと説明しましたが、たくさんの言葉を使って会話をすることもお子様の記憶力を伸ばすのに効果的です。また、この時期は、犬と覚えるよりも「わんわん」という言葉(オノマトペ)のほうが覚えやすいといった特徴もあります。

楽しい気持ちで行われる会話は、お子様にとって心地よい時間になるでしょう。

記憶力にも、親子のコミュニケーションにもプラスに働く“楽しい会話時間”は、よりたくさんの言葉を使うように心がけて、充実した時間にするようにしましょう。

コミュニケーションを積極的にとる

会話をしたり、神経衰弱をしたり。本記事でも記述してきましたが、3歳児の記憶力は、日常生活の中のコミュニケーションを通して向上させることが可能です。

そのため、愛情あふれるたくさんの言葉でお子様に語り掛ければ、親子感のコミュニケーションにも記憶力にもプラスに働くことでしょう。ぜひこの時期は、愛情いっぱいのコミュニケーションを心がけるようにしましょう。

発達障害の可能性を考える必要性も

ここまでは、記憶力や理解力、そして、親子間のコミュニケーションの重要性について記述してきました。そして、最後に“発達障害の可能性を考える必要性”も併せてお伝えいたします。  

発達障害のあるお子様は、脳の働きが一般的な発達状態とは異なるため、忘れやすかったり理解ができなかったりすることが多くなります。そのため、理想的な関わりやアプローチをしていても、記憶力が伸びなかったり、理解力が弱かったりすることがあるでしょう。

そのような場合は、検診時などに専門家に相談するのがおすすめです。また、検診がしばらくない場合などは、児童精神科などの専門医に診てもらうのもいいでしょう。

ただ、3歳児はまだまだ個人差があるときです。正しい知識をもって適切にアプローチしつづければ、いつの間にか心配がなくなっているケースがほとんどでしょう。

ここまでご紹介したとおり3歳から「記憶力」を伸ばすためには

絵本読み聞かせ
視覚的な情報を刺激する
たくさんの言葉を使って会話する

などを楽しく教えていくことが大事だと説明しました。

しかし、家事・育児・仕事などもあるし、それにプラスして色々なことを追加していくのは大変、、、 
分かった気がしてもポイントをおさえながら実際にするのは大変そう、、、

などのお悩みをかかえていませんか?

子どもも楽しみながら記憶力を伸ばせればなぁ、、、

と。

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幼児期は脳は6歳までに90%ができあがると言われます。
「幼児教育はまだ早い」と思われている方ほど、早めの取り組みをおすすめします。

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