『天神ができるまで』
開発に込めた思い~現在までThe Tenjin's History
トラックにはねられ全治13ヶ月
天神の開発者である井内は、漁師の家の長男として生まれました。
しかし船酔いのする体質で、全く漁師に向いていなかったので、
ずっと「漁師にならずに済む方法はないか」と考えていました。
小学校の時、お父さんが親戚のおじさんに、漁師を継がずに進学する風潮について、
「東大や京大ならいいが、勉強する気もないのに大学に行っても意味がない。」という話をしているのを聞いて、
「東大か京大なら漁師にならずに済む。」と希望を持ちました。
そして、「三国志」や「水滸伝」等の中国の本が大好きだったので、
中国文学の研究が盛んな京都大学に行こうと決めました。でも、高校までは、そのことは、誰にも言いませんでした。
「漁師を継ぎたくない。」「京都大学に行きたい。」
一心で勉強した結果、現役で文学部に合格することができました。
その京都大学の3回生の冬に交通事故に遭いました。
バイクで通学中、トラックにはねられたのです。
全治13ヶ月の大事故でした。
生死の狭間をさまよったものの、なんとか一命はとりとめました。
しかし、腰痛が持病となり、大学は、3年遅れて25歳で卒業することになりました。
後遺症の腰痛治療で再入院した病室で見た、一人の青年の振る舞い
卒業はしたものの、腰痛に苦しみまともに仕事ができません。
そのため、思い切って9ヶ月間仕事を休んで治療に専念することにしました。
ところが、症状は少しも良くなりません。
長い治療生活に疲れて、ずっと避けていた手術をすることを決意します。
しかし、手術は、成功ではありませんでした。
将来を思い不安になる中、ある青年の存在を知ります。
彼は20歳でしたが、ペンキ屋さんをしていた一年前に、脚立から落ちて首の骨を折り、
何度か手術をしましたが、首から上は動く、首から下は全く動かない状態で、
「これ以上は治りません。」という宣告を受けていました
どう考えても悲惨で、絶望していてもおかしくない状況にも関わらず、
彼はいつも明るく周囲の人々を笑わせていました。
そして、見舞いに来る友達の悩みを聞いてやり、励ましていました。
井内は、「重病なのに、なぜあんなに明るいんだろう?」と考えました。
そして、青年がすべてを受け入れ、今できることを精一杯しているからなのだと気付きました。
これを機に、「人生で何を成すか」を重要視していた価値観が、「どう生きるか」が重要だと変わり始めます。
「どう生きるか」を考え、「今できる精一杯のことをし続ける=成り得る最高の自分になる=自己実現」を目標に生きることにしたのです。
そして、「皆が自己実現を目指す生き方をしたら素晴らしい社会になる」「他の人の自己実現を支援したい」という思いが膨らんでいきました。
家庭教師時代に感じた疑問
井内は京都大学在学中に家庭教師をしていました。
生徒の成績アップに成功し、子どももご両親も喜んでくださって、
「先生がいないとダメなんです!」と言われるようになった時、誇らしい反面、
「私がいないとダメで、本当にいいのか」と考えはじめました。
「成績アップだけでなく、本当に子どもに必要なものはなんだろう?」
「そもそもなんのために勉強をしているのだろう?」と。
親が子どもたちに「勉強しなさい」という理由は、
将来社会に出て、自信を持って活躍し、幸せになってもらいたいからでしょう。
そのためには家庭教師がエネルギーを注ぎ込む「押し付け型」の教育ではダメだ、と井内は感じたのでした。
天神を開発するきっかけ
大学卒業後、井内は教育関連会社に入社して営業を担当していました。
順調に成績を挙げていましたが、モヤモヤも募っていきました。
お客様のご意見や要望を取り入れ開発元に改善要望を入れるものの、
お客様に十分満足いただけるものにならないからです。
そこで、あるとき決心しました。
「自分で作ろう!」と。
目指したのは、通常の教材にありがちな「成績アップ」だけでなく「自己実現を支援すること」でした。
「社会で活躍する人財に育つため」の土台作りです。
そして、それを形にしたのが学習システム「天神」です。
自身の経験を土台に、モンテッソーリの教育理論、ドーマン博士の能力開発理論などを取り入れ、
1995年に「天神」小学生版を創り上げました。
その後、お客様のご要望に応じて各年代の商品を開発。
幼児から中学校までをカバーする商品となりました
20年が経過し、発達障害の子向けにも良い教材と認知され始める
ここまでのストーリーでお気付きの方もいらっしゃるでしょうが、
天神は発達障害の子向けに作った商品ではありません。
発達障害のお子様に役に立つと知ったきっかけは、
ご利用いただいているお客様の中に発達障害のお子様がいらっしゃって、
そのご両親からメールで絶賛されたからです。
発達障害に詳しい大学の先生が天神の内容を見て
「発達障害向けの子専門の教材ですよね?違う?本当に?」と驚かれることもありました。
発達障害の子向けに開発したわけではないのに専門教材のクオリティを兼ね備えているのは、
「成績をあげる」という視点だけでなく、「自己実現を支援すること」「自己肯定感を高めること」
という観点で開発・改善に取り組んで来たからだと井内は考えています。
天神は、2013年日本e-Learning大賞に応募しました。
文科省、経産省等が後援する日本で一番権威のあるe-Learning教材のコンテストです。
そして、知名度のある教材会社や大学等の研究機関が多数応募する中で、
何と「天神」がグランプリを獲得しました。日本一です。
しかも審査員15名が全員一致しての1位選出でした。
これは、14回のコンテストの歴史の中で後にも先にも一回だけの快挙でした。
発達障害の子の特性に合わせた改良も
発達障害の子の利用が増えた近年では、
ご要望に合わせて様々な改良をほどこしています。
「文字を読むのが苦手で勉強がはかどらない」という子に「文章読み上げ」の改良を、
「不正解の音が気になってしまう」という子に「音の種類の変更や消音」の改良を、
大小様々な改良を行っています。
でも、根幹となる考えは変わりません。
大切にしているのは「自己実現を支援する」ことです。
お子様が、自立し自律し、友人や知人から頼りにされ、社会や家庭でイキイキと活躍する。
それを何よりの願いとしています。
まずは資料をご請求くださいお客様の声、価格一覧などを同封しています。
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